マンジャロについて

マンジャロ®(チルゼパチド)とは

マンジャロは週1回の皮下注射で血糖と体重の双方を改善する、GIP/GLP‑1受容体作動薬です。日本では2型糖尿病治療薬として2022年に承認され、近年は自由診療での肥満治療でも注目を集めています。

作用機序

GLP‑1に加えGIP受容体も刺激することで、インスリン分泌促進・グルカゴン抑制・胃排出遅延・食欲抑制を同時に実現します。そのため従来のGLP‑1単剤より血糖改善と体重減少の両面で優れた成績が報告されています。最新のランダム化比較試験では、非糖尿病の肥満者でも平均体重‑15%超を達成しました。

用法・用量

開始用量

2.5 mg週1回×4週

維持用量

5 mg週1回

効果が不十分な場合は2.5 mg刻みで最大15 mgまで4週以上の間隔で増量可能です。投与曜日は固定しますが、同じ日なら時間帯は自由です。72時間以上前なら打ち忘れに気づいた時点で投与し、72時間未満ならスキップします。

注射手順(アテオス™ペン)

  1. 1キャップを真っ直ぐ引き抜く
  2. 2腹部・大腿部・上腕(他者投与時)の皮膚に垂直に当ててロック解除
  3. 3ボタンを押し、2回のクリック音を確認して10秒保持

毎回少し場所をずらし、消毒後に打つと刺激が少なく済みます。

注射方法の詳しい動画

期待できる効果

  • HbA1c改善(平均‑1.5%前後/糖尿病患者)
  • 大幅な体重減少(非糖尿病肥満者で‑10 kg超の報告多数)
  • 中性脂肪・血圧・肝脂肪の低下など代謝全般の改善

心血管アウトカム改善も示唆され、認知症予防効果への研究も進行中です。

主な副作用と対策

症状発現時期対応策
吐き気・嘔吐開始〜増量直後食後2‑3時間の投与、脂質控えめ食、少量頻回食
下痢・便秘同上水分+電解質補給、食物繊維調整
低血糖他糖尿病薬併用時併用薬減量・自己血糖測定

消化器症状は時間とともに軽快することが多いですが、強いときは医師に連絡を。

禁忌・注意すべき人

  • 甲状腺髄様がん/MEN2の既往・家族歴
  • 妊娠中・授乳中
  • 重度胃腸障害・膵炎歴
  • 本剤過敏症歴

これらに該当する場合は使用できません。

費用と入手方法(自由診療例)

保険適用外ダイエット目的では、2.5 mg×4本で月2〜3万円、15 mgでは月9万円前後が相場です。オンライン診療の価格はクリニックにより差があり、キャンペーンを活用すると割安になります。

使い始めるステップ

  1. 1生活習慣の見直し(食事・運動)を先に行う
  2. 2糖尿病や他疾患の有無、家族歴を医師に共有
  3. 3低容量から開始し、副作用日誌をつける
  4. 44週ごとに効果と副作用を評価し用量調整

まとめ

マンジャロは週1回の簡便な自己注射で、血糖管理と体重減少を同時に狙える次世代薬です。正しい用量設定と副作用対策、禁忌の確認を行えば高い治療効果が期待できます。ただし肥満目的は現時点で保険適用外の自由診療であり、費用負担や長期安全性を理解したうえで、必ず専門医の指導のもと使用してください。